Apache HTTP サーバ バージョン 2.0
説明: | サーバがパースする html ドキュメント (Server Side Includes) |
---|---|
ステータス: | Base |
モジュール識別子: | include_module |
ソースファイル: | mod_include.c |
このモジュールはファイルがクライアントに送られる前に処理するフィルタを 提供します。処理の内容は要素と呼ばれる特別な形式の SGML コメントにより 制御されます。これらの要素は条件分岐や、他のファイルや プログラムの出力の取り込み、環境変数の設定や表示を行なうことが できます。
Server Side Includes は INCLUDES
フィルタ により実装されています。
Server-side include のディレクティブを含むドキュメントの拡張子が
.shtml の場合、以下のディレクティブでは Apache がそれらを
パースして、その結果できるドキュメントに text/html
の
MIME タイプを割り当てます:
AddType text/html .shtml
AddOutputFilter INCLUDES .shtml
以下のディレクティブは shtml ファイルのあるディレクトリで指定されている
必要があります (通常は <Directory>
セクション
で指定しますが、AllowOverride Options
が設定されていると、
.htaccess ファイルに書くこともできます):
Options +Includes
互換性を保つために、server-parsed
ハンドラ も INCLUDES フィルタを
有効にします。MIME タイプ text/x-server-parsed-html
や
text/x-server-parsed-html3
のドキュメントに対しても
Apache は INCLUDES フィルタを有効にします (出力されるものは
MIME タイプ text/html
になります)。
詳しい情報は Server Side Includes のチュートリアル を読んでください。
ドキュメントは、SGML のコメントとして特別なコマンドが埋め込まれた HTML ドキュメントとしてパースされます。コマンドの構文は次のように なっています:
<!--#
element attribute=value
attribute=value ... -->
値 (訳注: value) は二重引用符で囲まれることがよくあります。多くのコマンドは
属性-値 (訳注: attribute-value) の組を一つだけ指定できます。
コメントの終わり (-->
)
の前には、SSI の句の一部だと解釈されないようにするために空白を
入れてください。
要素 (訳注: element) には以下のものを指定することができます:
このコマンドはパース時の振る舞いを制御します。指定可能な属性は:
bytes
と、
状況に応じて Kb や Mb を使う abbrev
です。strftime(3)
ライブラリ関数が
使う文字列です。このコマンドは以下で定義されている include
変数 を表示します。変数が設定されていない場合は (none)
と表示されます。日付はその時点での timefmt
に従って
表示されます。
属性:
echo
要素の開始時は、デフォルトは
"entity" に設定されています。これはエンティティエンコード
(段落やテキストなどのブロックレベルの HTML エレメントのコンテキストに
適しています) を行ないます。これは encoding
属性
を加えることで変更できます。変更は次の encoding
属性か、
要素の終了まで効力を持ちます。encoding
属性は
エンコードの変更をしたい var
の前に ある
必要があることに注意してください。また、ISO-8859-1 エンコーディングで
定義されている特別な文字だけがエンコードされます。
別の文字のエンコーディングが使われている場合、このエンコーディングは
望みの結果をもたらさないかもしれません。これは、Apache 1.3.12 以降
で使用可能です。以前のバージョンはエンコードを行ないません。exec コマンドは指定されたシェルコマンドや CGI スクリプトを
実行します。mod_cgi
がサーバに組み込まれていることが
必要です。IncludesNOEXEC Option
はこのコマンドを無効にします。
使用可能な属性は:
値は (%-エンコードされた) URL を指定します。パスが
スラッシュ (/) で始まらないときは、ドキュメントからの
相対パスとして扱われます。このパスで参照されているドキュメントは
サーバが CGI スクリプトとして扱っていなくても CGI スクリプトとして
起動されます。ただし、スクリプトのあるディレクトリでは
(ScriptAlias
や ExecCGI Option
によって)
CGI スクリプトの使用が許可されている必要があります。
CGI スクリプトには PATH_INFO とクライアントからの 元々のリクエストのクエリー文字列が渡されます。スクリプトは標準 CGI 環境に加えて、include 変数を 使用することができます。
例えば:
<!--#exec cgi="/cgi-bin/example.cgi" -->
スクリプトが出力の代わりに Location: ヘッダを返すと、 HTML のアンカーに変換されます。
exec cgi
よりも、
include virtual
の方を使うようにしてください。特に、CGI への追加の引数を
クエリー文字列を使って渡すことは exec cgi
は
できませんが、include virtual
は以下のようにして
可能です。
<!--#include virtual="/cgi-bin/example.cgi?argument=value" -->
サーバは指定された文字列を /bin/sh
を使って
実行します。コマンドは通常の CGI 変数に加えて include 変数も使うことができます。
ほとんどいつも、#include
virtual
を使う方が #exec cgi
や #exec
cmd
を使うよりも良い方法です。前者 (#include virtual
)
は標準の Apache のサブリクエスト機構を使ってファイルやスクリプトの
出力を取り込みます。その方法の方がよりたくさん試され、
よく維持されています。
さらに、Win32 のようないくつかのプラットフォームや、suexec
を使っている unix では、exec
ディレクティブのコマンドに
引数を渡したり、コマンドに空白を入れることはできません。
ですから、以下のものは unix の suexec でない設定では動作しますが、
Win32 や suexec を使っている unix では期待した結果にはなりません:
<!--#exec cmd="perl /path/to/perlscript arg1 arg2" -->
このコマンドは指定されたファイルの大きさを sizefmt
の
書式指定に基づいて出力します。属性は:
timefmt
書式指定に従って表示します。
指定可能な属性は fsize
コマンドと同じです。このコマンドは別の文書やファイルのテキストを解析しているファイルに 挿入します。挿入されるファイルはアクセス制御の管理下にあります。 解析しているファイルの存在するディレクトリに Option IncludesNOEXEC が 設定されていて、文書の挿入によりプログラムが実行されるような場合は、 その文書は挿入されません。その Option の設定は CGI スクリプトの実行を 禁止するからです。その他の場合は、 クエリー文字列も含め、コマンドで指定された 完全な URL を使って普通に CGI スクリプトが呼び出されます。
属性が文書の位置を指定します。include コマンドに与えられたそれぞれの 属性に対して挿入作業が行なわれます。有効な属性は:
../
を含んでいたり、絶対パスを指定したりはできません。
ですから、ドキュメントルートの外にあるファイルや、ディレクトリ構造で
上位にあるファイルを挿入することはできません。
常にこの属性よりは、virtual
属性を使うようにしてください。
値は解析されているドキュメントからの (% エンコードされた) URL です。URL にはスキームやホスト名を含めることはできません。パスと、 もしあればクエリー文字列を指定できるだけです。スラッシュ (/) から 始まらない場合は、ドキュメントからの相対パスとして扱われます。
URL は属性から作られ、その URL をクライアントがアクセスしたときに 出力される内容が解析後の出力に含められます。ですから、挿入される ファイルは入れ子構造にすることができます。
指定された URL が CGI プログラムであった場合は、 プログラムが実行され、その出力が解析しているファイル中の ディレクティブがあった位置に挿入されます。CGI の url に クエリー URL を入れることもできます:
<!--#include virtual="/cgi-bin/example.cgi?argument=value" -->
HTML ドキュメントに CGI プログラムの出力を含める方法としては、
include virtual
の方が exec cgi
よりも
好ましい方法です。
これは、存在するすべての変数とその値を表示します。Apache 1.3.12 から、
特別な文字は出力される前にエンティティエンコード (詳細は echo
要素を参照) されるようになりました。
属性はありません。
例えば:
<!--#printenv -->
printenv 要素は Apache 1.2 以降でのみ使用可能です。
例えば:
<!--#set var="category" value="help" -->
set 要素は Apache 1.2 以降でのみ使用可能です。
標準 CGI 環境の変数に加えて、echo
コマンドや、
if
や elif
, それにドキュメントから呼び出される
すべてのプログラムから使用できる変数があります。
変数置換はたいていの場合 SSI ディレクティブの引数として妥当な場所にある
引用符で囲まれた文字列中で行なわれます。これに該当するものには、
config
,
exec
, flastmod
, fsize
,
include
, echo
, set
の
各ディレクティブと、条件分岐用のオペレータへの引数があります。
ドル記号はバックスラッシュを使うことで使うことができます:
<!--#if expr="$a = \$test" -->
変数名としてみなされる文字列の中で変数への参照を置換する必要があるときは、 シェルでの変数置換のように、中括弧で括ることで区別することができます:
<!--#set var="Zed" value="${REMOTE_HOST}_${REQUEST_METHOD}" -->
この例では、REMOTE_HOST
が
"X
" で REQUEST_METHOD
が
"Y
" のときに変数 Zed
を "X_Y
"
に設定します。
例: 以下の例では、DOCUMENT_URI が /foo/file.html のときに "in foo" を、/bar/file.html のときに "in bar" を、どちらでもないときには "in neither" を表示します:
<!--#if expr="\"$DOCUMENT_URI\" = \"/foo/file.html\"" -->
in foo
<!--#elif expr="\"$DOCUMENT_URI\" = \"/bar/file.html\"" -->
in bar
<!--#else -->
in neither
<!--#endif -->
Apache 1.2 以降で使用できます。基本フロー制御要素は:
<!--#if expr="test_condition" -->
<!--#elif expr="test_condition" -->
<!--#else -->
<!--#endif -->
if
要素はプログラミング言語の
if 文と同じように動作します。条件が評価され、結果が真であれば
elif
か
else
か endif
までの文字列が出力に挿入されます。
elif
や else
文は test_condition が偽のときにテキストを出力に挿入するために使われます。
これらの要素はあってもなくても構いません。
endif
要素は if
要素を終了させます。この要素は必須です。
test_condition は以下のどれかです:
egrep
コマンドと同じ構文です。"=" と "!=" の方が "&&" より きつく束縛します。"!" の束縛が一番きつくなっています。 ですから以下の二つは等価です:
<!--#if expr="$a = test1 && $b = test2" -->
<!--#if expr="($a = test1) && ($b = test2)" -->
変数やオペレータとして認識されないものはすべて文字列として 扱われます。文字列は引用符で囲むこともできます: 'string' のように。引用符で囲まれていない文字列には空白 (スペースとタブ) を含めることはできません。それらは変数などの句を分離するために 使われているからです。複数の文字列が続いているときは、 空白を間に入れて一つにくっつけられます。ですから、
string1 string2 は string1 string2 になります
'string1 string2' は string1 string2 になります
mod_include の機能を使って、国際化され、カスタマイズされたエラー ドキュメントを提供するための方法を説明した 文書があります。
server-side includes で処理されるファイルは PATH_INFO
(後に付いたパス名の情報) 付きのリクエストを受け付けなくなりました。
PATH_INFO の付いたリクエストを受け付けるように設定するために、AcceptPathInfo
ディレクティブを
使うことができます。
説明: | include 要素を終了させる文字列 |
---|---|
構文: | SSIEndTag tag |
デフォルト: | SSIEndTag "-->" |
コンテキスト: | サーバ設定ファイル, バーチャルホスト |
ステータス: | Base |
モジュール: | mod_include |
互換性: | バージョン 2.0.30 以降で使用可能。 |
このディレクティブは mod_include が探す、include 要素の終了を示す 文字列を変更します。
SSIEndTag "%>"
説明: | SSI のエラーがあったときに表示されるエラーメッセージ |
---|---|
構文: | SSIErrorMsg message |
デフォルト: | SSIErrorMsg
"[an error occurred while processing this directive]" |
コンテキスト: | サーバ設定ファイル, バーチャルホスト, ディレクトリ, .htaccess |
上書き: | All |
ステータス: | Base |
モジュール: | mod_include |
互換性: | バージョン 2.0.30 以降で使用可能 |
SSIErrorMsg ディレクティブは mod_include がエラーが起こったときに
表示するメッセージを変更します。プロダクションサーバでは
メッセージがユーザに表示されないようにするために
デフォルトエラーメッセージを "<!-- Error -->"
に変えるというようなことを考えるかもしれません。
このディレクティブは <!--#config
errmsg=message -->
要素と同じ効果になります。
SSIErrorMsg "<!-- Error -->"
説明: | include 要素を開始する文字列 |
---|---|
構文: | SSIStartTag tag |
デフォルト: | SSIStartTag "<!--" |
コンテキスト: | サーバ設定ファイル, バーチャルホスト |
ステータス: | Base |
モジュール: | mod_include |
互換性: | バージョン 2.0.30 以降で使用可能。 |
このディレクティブは mod_include が探す、include 要素の開始を 示す文字列を変更します。
二つのサーバが (もしかすると違うときに) ファイルの出力を解析していて、 それぞれに違うコマンドを処理させたい、 というようなときにこのオプションを使います。
SSIStartTag "<%"
上の例と、それに対応する
SSIEndTag
を使うと、
下の例の様にして SSI ディレクティブを使うことができます:
<%#printenv %>
説明: | 日付けを現す文字列の書式を設定する |
---|---|
構文: | SSITimeFormat formatstring |
デフォルト: | SSITimeFormat "%A, %d-%b-%Y %H:%M:%S %Z" |
コンテキスト: | サーバ設定ファイル, バーチャルホスト, ディレクトリ, .htaccess |
上書き: | All |
ステータス: | Base |
モジュール: | mod_include |
互換性: | バージョン 2.0.30 以降で使用可能。 |
このディレクティブは DATE 環境変数を echo して日付を現す文字列が 表示されるときの書式を変更します。formatstring は C 標準ライブラリの strftime(3) と同じ形式です。
このディレクティブは <!--#config
timefmt=formatstring -->
要素と同じ効果になります。
SSITimeFormat "%R, %B %d, %Y"
上のディレクティブでは、日付は "22:26, June 14, 2002" という 形式で表示されます。
説明: | 未定義の変数が echo されたときに表示される文字列 |
---|---|
構文: | SSIUndefinedEcho tag |
デフォルト: | SSIUndefinedEcho "(none)" |
コンテキスト: | サーバ設定ファイル, バーチャルホスト |
ステータス: | Base |
モジュール: | mod_include |
互換性: | バージョン 2.0.34 以降で使用可能。 |
このディレクティブは変数が定義されていないにも関わらず "echo" されたときに mod_include が表示する文字列を 変更します。
SSIUndefinedEcho "<!-- undef -->"
説明: | 実行ビットが設定されたファイルの SSI ディレクティブを 解析する |
---|---|
構文: | XBitHack on|off|full |
デフォルト: | XBitHack off |
コンテキスト: | サーバ設定ファイル, バーチャルホスト, ディレクトリ, .htaccess |
上書き: | Options |
ステータス: | Base |
モジュール: | mod_include |
XBitHack ディレクティブは通常の HTML ドキュメントの解析を
制御します。このディレクティブは MIME タイプ text/html
と関連付けられているファイルにのみ影響します。XBitHack は
以下の値をとることができます:
on
と同様ですが、グループ実行ビットもテストします。
もしそれが設定されていれば、返されるファイルの Last-modified の
日付をファイルの最終修正時刻にします。それが設定されていないときは、
last-modified の日付は送られません。このビットを設定すると、
クライアントやプロキシがリクエストをキャッシュできるようになります。
#include
するかもしれないものや、各アクセスに対して違う出力を生成する
(もしくは後のリクエストで変わるかもしれないもの)
すべての SSI スクリプトに対してグループ実行ビットが
設定されていないことを確認できない場合は、full は使わない方が良い
でしょう。